社会人の素人が独学で簿記3級に合格する勉強方法
ビジネスマンに人気の資格といえば日本商工会議所主催の日商簿記検定、日商簿記(簿記検定)。
筆者は12月に簿記検定3級のネット試験に合格しました。
私はこれまで簿記とは無縁の職業についていたのですが、転職活動のために簿記検定を受験することにしました。
“簿記3級を独学合格を目指しているけど受かるか不安”
“スクールに通った方がいいの?”
“そもそもどんな風に勉強すればいいかわからない”
簿記検定の受験を検討する際に、この様な心配を抱えている人も多いのではないでしょうか。
当の私もそうでした。
今回は、そんな簿記素人が独学で簿記3級に合格した勉強方法をお伝えしたいと思います。
この記事が、多くの簿記受験生の背中を押すお手伝いをできれば幸いです。
目次
簿記受験不安の解消法
社会人になって初めて簿記3級を受験する人や、何度か受験しているけどなかなか合格できない人の中には、簿記3級の受験に対して不安感を抱いている人も少なくないと思います。
初めて取り組む事や、なかなか思い通りにならない事に対して、その様な感情を持つことは自然な事なので、まずはその状態を受け入れてる事が大切です。
その上で、勉強のモチベーションを上げるためにも、その不安を解消するためのマインドを身につけていきましょう。
まず、簿記は高校・大学受験や公務員試験とは違い、誰でも、いつでも、何度でもチャレンジできます。
つまり、何度不合格になってもいいんです。
そんなに自分に甘くて大丈夫なの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いいんです。
大丈夫です。
むしろ、簿記の勉強を決意した自分、日々勉強に取り組んでいる自分を褒めてあげてください。
それだけで既に、前に進もうと頑張っているんだよ、と。
以下の事を不安になった時に思い返して、少しでも自分の心を軽くしてあげましょう。
○簿記検定は何度でも受験できる
○何歳でも受験できる
○年3回開催されている
○ネット試験なら日にち指定で受験できる
スクールと独学の比較
社会人の簿記検定の勉強については、主に次の3種類の環境から選ぶかと思います。
1.通学型のスクール
2.ネット受講型のスクール
3.独学
この他にもハローワーク主催の職業訓練でも簿記の講義を行う講座もあるので、そちらを利用する事もできます。
今回は先程述べた3つの学習環境について比較していきたいと思います。
1.通学型のスクール
何年か前までは最も一般的な選択肢だった通学型のスクールですが、インターネットを使用した講義を行うスクールが増えてきてからは、選択肢から外れてしまう事が多くなりました。
メリットとしては、疑問点をすぐに講師の方に質問できるといった点があげられます。
しかし、インターネットの普及によって検索をすればある程度の疑問は解決できてしまうので、時間的な拘束や通学の手間を考えると、デメリットの方が多くなりがちです。
「周囲に簿記の勉強をしている仲間がいた方がモチベーションを保ちやすい」といった人には、通学型のスクールがおすすめです。
2.ネット型のスクール
近年メジャーになっているのはこのネット型のスクール(通信講座)です。
インターネットの環境さえ有ればいつでもどこでも受講することができます。
また、通学型のスクールに比べて交通費を抑える事ができるので、費用面で見ても通信講座に部があります。
時間的拘束がネックで、かつ費用も抑えたいといった人で、さらに効率良く学習したい人にはネット型スクールをお勧めします。
とはいえ、簿記3級は独学でも十分合格可能ですので、合格までの日数が限られており、その期間内で必ず合格しなければならない等の理由がなければ、3級に関しては独学をお勧めします。
3.独学
本記事のテーマである独学ですが、先程も述べた通り、期間的な理由が無ければ3級に関しては独学をお勧めします。
なぜ独学をお勧めするかと言うと、心理的、費用的なプレッシャーが少なくて済むからです。
まず、通学型のスクールですが、こちらは当然ですが決まった日時に決まった場所に通わなければなりません。
働きながら簿記の合格を目指す社会人の方々にとっては、肉体的にも精神的にも少なからず負担となってしまいます。
とりわけ簿記3級に関しては、独学でも十分に合格可能な難易度となっていますので、個人的には費用面で見ても割りに合わないかなと思います。
次に、ネット型のスクール(通信講座)ですが、こちらは簿記3級の学習において選択肢には入って来ますが、もし簿記の学習を始めてから簿記に興味が持てないと自覚して断念してしまった場合、受講費が無駄になってしまう恐れがあります。
簿記3級は簿記検定の入り口として、初心者の方々の受験も多いとかと思いますので、ネット型のスクールを利用したい人も、まずは独学から初めて、興味が持てたら独学で3級合格、その後2級の学習時にネット型のスクールを利用する、といった流れがベストだと思います。
簿記3級独学の勉強方法
それではいよいよ、本題の簿記3級の独学方法を説明していきたいと思います。
その方法はずばりテキストと問題集の合計3回以上の反復学習です。
ただなんとなく3回繰り返すのではなく、それぞれの回ごとにしっかりと意味を持ちながら学習をする事がポイントです。
回数を積み重ねていくことで、記憶の定着を行います。
それぞれの回でのポイントを抑えてきましょう。
☆1回目
1回目は、簿記3級の内容がどういったものかを把握する事が目的です。
全部理解できなくても大丈夫です。
基本的に簿記3級の学習では、問題を解く時以外にノートは使用しません。
まとめ直しは不要です。
持っている参考書が最良のまとめノートです。
不備を感じた場合のみ参考書に直接補助的に書き込みを行う程度で十分です。
参考書の内容がふんわりとしか分からなくても、とにかく読み進めましょう。
そして問題を解いてみましょう。
この時点ではまだまだ正解数は少ないかもしれませんが、気にせずどんどん参考書と問題集を進めていきます。
まずは簿記3級の内容を“知る”ことが大切です。
☆2回目
2回目は、簿記3級の各項目をしっかりと理解する事が目的です。
参考書を読み直し、並行して再び問題集を解いていきます。
理解できなかった部分はネットで検索すれば、わかりやすく説明されているサイトさんがたくさんありますので、そちらを利用して理解を深めていきます。
どうしてもわからなかった場合は、SNSで質問すれば心優しい方が教えてくださる事もあります。
時間をかけて丁寧に参考書を読み直してから問題集に取り組むと、間違える問題の数が減っている事に気づきます。
すると、自分の成長に気づき、モチベーションが上がります。
間違えた問題には付箋で印をつけておきましょう。
そしてこの2回めでは、理解できるまで参考書と問題集とにらめっこです。
2回目の作業では、とにかく理解する事が大切です。
まだ覚える事ができなくても大丈夫なので、まだまだ問題をまちがえることがあるかと思いますが、大丈夫です。
焦らず、自分のペースで進める事ができるのが、独学のメリットです。
そして簿記3級の内容が理解できたら、つぎの作業、“慣れ”に移ります。
☆3回目
3回目は、簿記3級の問題に慣れる事が目的です。
この時補助的にもう一度参考書を読み直しましょう。
そして問題集をメインに再度解き進めていきます。
簿記の名言に「簿記は習うより慣れろ」というものがありますが、まさにこれですね。
この段階で、どんどん記憶に残していきます。
2回目で付箋をつけた問題は、特に注意して取り組みましょう。
おそらく自分が得意ではない部分です。
この3回目で再度間違えた問題には、付箋の部分に何かしら印をつけておきます。
そして後日解き直しましょう。
こうして自分の苦手な部分を無くしていく事が重要です。
3回目以降は、2、3回目と同様の事を繰り返していきます。
こうして問題集をほぼ間違えなくなったら、最後の仕上げに簿記3級の過去問を解いて自信をつけましょう。
あとは試験に臨むのみです。
まとめ
以上が、社会人の素人が独学で簿記3級に合格した方法です。
シンプルですが、簿記では慣れる事が大切です。
特に、全く畑違いの仕事をしていた人にとっては、最初は異国の言語を見ている気分です。
けれども、回数さえ重ねれば、人間は慣れていくものです。
焦らずに自分のペースで慣れていけば大丈夫なんです。
こちらの記事を、簿記3級の独学の参考にしていただければと思います。